【サラリーマンとフリーランスの違い】雇用契約と業務委託契約について解説

サラリーマンとフリーランスって何が違うんですか?
仕事をして給料をもらうのは一緒ですよね?
詳しく教えてください。

 

そんな疑問にお答えします。

 

わんこ社労士
この記事を書く私は、社会保険労務士。労働契約に関しての専門家です。

 

結論から言いうと、サラリーマンとフリーランスの違いは「雇用契約」か「業務委託契約」かの違いです。

 

この記事では、雇用契約と業務委託契約について詳しく解説します。

 

ご覧いただければ、サラリーマンとフリーランスの違いについて理解でき、さらに税金の仕組みについても知識が深まります。

 

目次

 

雇用契約・業務委託契約とは

雇用契約とは

雇用契約とは簡単に言うと会社に「時間」を提供し、お金をもらうことです。

 

自分で売った商品は会社の利益になり、自分の給料に反映されることはほとんどありません。

 

 

1億の商品を売ろうが、1万円の商品を売ろうが給料は変わりません。

その代わり、売上が0円でも給料がもらえます。

 

 

わんこ社労士
雇用契約でもらうお金を「給与所得」といいます。

 

 

業務委託契約とは

業務委託契約とは、簡単に言うと会社に「案件」をこなし、お金をもらうことです。

 

※細かくいうと「請負契約」と「委託契約」の2種類がありますが、この記事では「請負契約」を中心に解説します。

 

 

業務委託契約は期日までに成果物を完成させたらお金がもらえる仕組みになっています。

その成果物を作るためにかかった時間は関係ありません。

 

 

例えば、10万円の成果物を10時間で完成させたら、時給で言うと1万円ですが、100時間かけてしまうと時給1千円となります。

 

売上はすべて自分のお金となるので、頑張れば、頑張るほどお金がもらえます。

その代わり、売上が0円になると全くお金がもらえないのが特徴です。

 

 

わんこ社労士
業務委託契約でもらうお金を「事業所得」といいます。

 

 

雇用契約と業務委託契約の違い

こちらの表をご覧ください。

 

雇用契約
(サラリーマン)
業務委託契約
(フリーランスなど)
業務の拒否権 なし あり
会社の専属性 あり なし
業務の指揮監督 強い 弱い
勤務場所の指定 あり なし
報酬の算定 時間 案件

 

原則、上記の働き方の実態で雇用契約か、業務委託契約か決まります。

 

では、1つ1つ説明していきます。

 

業務の拒否権

雇用契約は、会社から指示された仕事は基本的に断れません。

 

一方、業務委託契約は仕事の拒否権があります。

業務委託契約は自分で仕事を選んで行うので、やるのも自由、やらないのも自由です。

 

 

会社の専属性

雇用契約は、大半の人は勤務しているのは1社ですよね。

「株式会社○○の」というふうに会社に属しています。

 

一方、業務委託契約は会社には属しません。

「○○さん」というふうに個人での活動がメインになります。

 

 

業務の指揮監督

雇用契約は、業務の指揮監督度合が強く、仕事は上からの指示に従ってこなしていくのが基本です。

その指示もコロコロ変わっていくので、振り回されることも度々あります。

 

一方、業務委託契約は指揮監督は弱く、「○月○日までにこれを完成してください」という指示があるだけ。

細かい指示もありますが、雇用契約ほど指揮監督が強くはありません。

 

 

勤務場所の指定

今となってはテレワークが一般化されてきていますが、雇用契約は「仕事の場所」が決まっています。

会社に着くところから仕事が始まるので、移動時間は勤務にはなりません。

 

一方、業務委託契約は期限までに仕事を終わらせれば場所は問いません。

自宅でも、海外でも、どこで作業してもOKです。

 

報酬の算定

雇用契約は、労働時間に対して報酬が発生しますが、業務委託契約は案件ごとに報酬が発生します。

 

雇用契約の場合、能力を上げて労働時間の価値を上げることで年収が上がっていく仕組みです。

 

一方、業務委託契約は、獲得した案件をこなせばこなすほど年収が上がっていきます。

 

 

給与所得と事業所得の違い

ここからは、給与所得と事業所得の違いについて解説します。

 

繰り返しになりますが、雇用契約(サラリーマン)が給与所得。

業務委託契約(フリーランスなど)が事業所得になります。

 

では、何が違うのかというと「税金」の取り扱いが違います。

 

 

「税金の取り扱いが違う」というのとはどういうことか。

 

それは、「経費を引けるか引けないか」です。

 

給与所得 事業所得
経費 引けない 引ける
税金 給料が多ければ増えていく 経費を引いた後の報酬により変わる
確定申告 必要ない
(会社で年末調整をやってくれるため)
必要

 

他にも上記のような特徴がありますが、どっちの方が税金がかからないかというと、「事業所得」の方が税金がかからないです。

 

なぜかと言うと、交通費や食事代、筆記用具など仕事に必要なものをすべてが経費として落とせるため、その分節税になります。

 

例えば、サラリーマンは仕事の飲み会で5,000円使っても節税にはならないですよね。

ところがフリーランスだと、仕事の飲み会代5,000円は経費となり、節税ができるのです。

 

 

その代わり、フリーランスは確定申告をしなければいけません。めんどくさいですが宿命です。

逆に、サラリーマンは年末調整があるので、確定申告をしなくても大丈夫です。

 

 

すみません・・・。そもそも年末調整や確定申告ってなんなんですか?

 

わんこ社労士
要は「税金の申告作業」です。ザックリ言うと、会社が代わりに従業員の税金の申告してくれることを「年末調整」、自分で税金を申告することを「確定申告」と言います。

 

 

まとめ

 

仕事をして給料をもらうといっても、サラリーマンとフリーランスは全然違う仕組みになっています。

 

ずっとサラリーマンで働いている方が、フリーランスになると仕組みの違いに戸惑うでしょう。

 

サラリーマンは拘束される分、手続きのほとんどは会社がやってくれますし、給料も毎月発生します。

 

それが当たり前だと思っていると、「お金の仕組みがわからない大人」になりかねません。

 

自分は雇用契約なのか、業務委託契約なのか。

給与所得とは何か、事業所得とは何か。

 

この仕組みを知ることで、将来フリーランスになった時や、副業をやった時に見え方が変わってきます。

 

将来どうなるかは誰もわかなりません。

この記事が、お金と契約の仕組みを知るきっかけになれば幸いです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次