「ジョブ型雇用」ってなんですか? 今までの働き方と何が違うんですか?
そんな疑問にお答えします。
本記事の信頼性
この記事を書く私は、労務の専門家の社会保険労務士。現在はとある企業で人事をやっています。
ジョブ型雇用という言葉をご存知でしょうか。
ジョブ型雇用とは簡単に言うと「専門職」です。
つまり、ある特定の分野に特化した人材を雇用するというのがジョブ型雇用ということです。
労働者にとってジョブ型雇用は大きなメリットがあります。
それは、転勤がないこと。
「転勤したくない」という需要は高まっていることと、年功序列の崩壊により、今ジョブ型雇用の注目が集まっています。
この記事では、採用が急増しているジョブ型雇用について詳しく解説していきます。
ぜひご覧ください。
転勤は拒否することはできない
あなたはこんな経験したことありますか?
転勤は原則拒否することができません。
基本的には、新卒で入った人は特殊なスキルがない限り、転職ありの「総合職」として入社しているはずです。
総合職は「転勤してもいいですよ」という契約になっており、会社の命令で転勤になる場合はそれに従わなければなりません。
ただ、全員が転勤を拒否できないわけではありません。
転勤を拒否する正当な理由があれば拒否することができます。
転勤を拒否するための正当な理由
転勤を拒否するための正当な理由は下記の通り。
- 入社時の雇用契約と違う
- 家庭に重病者がいたり、介護が必要な方がいるなど、どうしても転勤が困難な事情がある場合
- 会社が嫌がらせのために転勤させている場合(権利の濫用)
入社時の雇用契約と違う
入社時にかわす雇用契約書に「転勤なし」と書いてあるにも関わらず転勤させられる場合は拒否することができます。
この場合「契約違反」ということになり、正当な理由に該当します。
家庭に重病者がいたり、介護が必要な方がいるなど、どうしても転勤が困難な事情がある場合
家庭の事情により、どうしても転勤が不可能な場合は会社も配慮してくれる場合があります。
上司に事情を説明して、場合によっては家族の診断書などの提示して転勤できない事を相談するとよいでしょう。
できれば転勤命令が出る前に上司にや人事部に事情を説明しておくと転勤命令は出にくいのよ
会社が嫌がらせのために転勤させている場合(権利の濫用)
本人のモチベーションを下げる事を目的とした転勤だったり、明らかに退職に追い込むために転勤命令を出しているような場合は拒否できます。
ただ証拠を集めるのが難しく、必ずしも拒否できるものではありません。
裁判でも多く争われているいますが、転勤命令が取り下げられないこともあります。
転勤がないジョブ型雇用とは
ここからは「ジョブ型雇用」とは何かを解説していきます。
ジョブ型で雇用されるとほとんど専門分野しか業務をやらないから転勤がないのよ
もう少し詳しく説明すると、ジョブ型雇用は専門職ともちょっと違います。
ジョブ型雇用は「職務記述書(ジョブディスクリプション)」というもので職務や勤務地、労働時間などを明確に定めて雇用契約を結びます。
極端な話、この職務記述書に書かれた内容のこと以外の仕事はしません。
例えば、「転勤なし」「残業なし」「職務変更なし」という契約を結んでいた場合、仕事をする上でこの3つは必ず守られます。
このように完全に特定の業務に特化した雇用契約で働くことを「ジョブ型」と言い、欧米では主流の働き方です。
日本では、ソフトウェア会社のサイボウズや、ヘアカット店QBハウスを運営するキュービーネットホールディングスがジョブ型雇用を取り入れています。
ジョブ型雇用のメリット・デメリット
では、ジョブ型雇用のメリットとデメリットは何かについて解説していきます。
ジョブ型雇用のメリット
- 自分のがやりたい仕事ができる
- 転勤がない
- スキルに応じて給料が上がる
メリットとしては、仕事が明確な分、自分のやりたい仕事ができるということです。
一般の会社員の場合、やりたくない仕事もやらされて、仕事も幅広く行うと思います。
例えば「この仕事なんの意味があるんだろう」とか、「こんなくだらないことに時間がかかった」なんてことはよくあるはず。
ジョブ型雇用の場合は、ほとんどありません。業務が限定的な分、自分がやるべき事に集中できるからです。
また、給料はスキルに応じて上がっていきます。
年齢は関係ないので、若くても高収入が狙えるのが特徴です。
時間や場所にとらわれずに働きたい人にもオススメだわん
ジョブ型雇用のデメリット
- 仕事がなくなればリストラされる可能性が高い
- 勉強し続けなければならない
- 新卒では難しい
ジョブ型雇用は一般の会社員よりリストラされる確率が高くなります。
なぜなら「専門の仕事以外できないから」です。
会社側からしてみれば、仕事がなくなればジョブ型雇用の人もいらないとなります。
とはいえ、スキルが高ければまた別の会社で採用されるので仕事が全くなくなるわけではありません。
その分勉強し続けなければ仕事は減っていきます。
また、特定のスキルが必要な分、新卒でジョブ型雇用は難しいと思います。
学生のころからプログラミング経験があったり、国家資格を持っていたりすれば別ですが。
「特定の仕事ができるスキル」があればいいのよ
ジョブ型雇用の求人
ジョブ型雇用の求人は最近増えてきています。
しかし、まだどこの求人サイトでもあるという状況ではありません。
ジョブ型雇用の求人を探すなら「業種特化型転職エージェント」を利用することをオススメします。
ジョブ型雇用の求人を探すのにオススメのサイト
- doda(質の高い求人が多数)
- レバテックキャリア(IT・WEBエンジニア特化)
- MS-Japan(経理・人事・法務など管理部門特化)
doda
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もちろんジョブ型雇用の求人もあり、多種多様の求人を掲載。
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なお、登録した後は必要に応じてdodaの最寄りの拠点に行ってキャリアカウンセリングを受ける必要があります。
doda:転職で、サイトに掲載されていない【非公開求人】を活用する方法とは?
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レバテックキャリアはITに特化した転職エージェントです。
ジョブ型雇用が一番多い職種はITです。
中でもレバテックキャリアの特徴は入社前に会社の内部事情がわかること。
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MS-Japan
MS-Japanは管理部門に特化した転職エージェントです。
実は、管理部門もジョブ型雇用で採用されることが多くあります。
特に多いのが人事。
最近はHRビジネスパートナーといって人事アドバイザー的な役割が増えています。
それだけじゃなく弁護士、税理士、会計士など士業でもコンサルティングという立場でジョブ型雇用される人も。
MS-Japanはそういった管理部門や士業に特化した転職エージェントです。
管理部門専門でキャリアを築いてきた人にはMS-Japanをオススメします。
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まとめ【今後はジョブ型雇用がますます進む】
終身雇用、年功序列の崩壊、テレワークの普及によりジョブ型雇用という新しい雇用形態が注目を集めています。
広く浅くが主流だった日本ではまだまだ浸透していませんが、欧米では狭く深くのジョブ型雇用が主流です。
多様な働き方が進む中、自分のやりたい仕事ができて、転勤がないというのは、現代の若者にとっては大きなメリットです。
今後はますますジョブ型雇用の採用が進んでいくでしょう。
「転勤する仕事に就きたくない」というあなたはぜひジョブ型雇用での就職を目指してみてはいかがでしょうか。